これは特定の会社の話ではなく、複数の業務システムを使っている会社で起きがちな流れを1枚にまとめたものです。システムが増えるほど、また担当者が変わるほど、「全部を知っている人」はいなくなります。
入社・退職のときの、いつもの流れ(手作業)
STEP 1
入社が決まる
総務が「何のシステムが必要か」を前任の新人のときの記憶で考える1
STEP 2
各担当にメールで依頼
販売管理は川田さん、会計は糸井さん……宛先ごとに別々のメール。返事が来たかは受信箱で追う2
STEP 3
パスワードを付箋で渡す
初回パスワードを付箋やチャットで本人へ。急ぎのときは先輩の ID を借りて仕事を始める3
STEP 4
退職:思い出せた分だけ止める
Google とチャットは止めた。勤怠と販売管理は「そういえば」で半年後に気づく4
その結果… 退職者の ID が販売管理に残り、社外から顧客情報に入れる状態が続く5。総務が休みの日に入社があると、誰も必要なシステムを言えない(属人化)6。
総務のメモ帳「システム一覧(たぶん最新)」
| システム | 担当 | ログイン |
|---|---|---|
| 岡本 | 各自 | |
| チャット | 岡本 | Googleで入れる? |
| 勤怠 | 前田 → 岡本 | ID/PW 管理者PWは前田さんが知ってた7 |
| 販売管理 | 川田 | ID/PW(社内サーバー) |
| 会計 | 糸井 | ID/PW |
| 銀行 | 糸井 | 電子証明書 山本さんの分どうする? |
| 案件管理? | ? | 営業が使ってるやつ |
山本さん 6/30 退職
Google ✓ チャット ✓
あとは…なんだっけ4
Google ✓ チャット ✓
あとは…なんだっけ4
佐藤さん 7/1 入社
川田さんに販売管理たのむ
勤怠は前田さん→× 岡本?
川田さんに販売管理たのむ
勤怠は前田さん→× 岡本?
共用ID「eigyo01」のPW
→ 変えたら営業全員に連絡3
→ 変えたら営業全員に連絡3
赤い番号の問題点
- 1「何が必要か」が記憶頼み:営業なら何と何、経理なら何と何、という決まりが書かれていない。前回の入社を思い出して考えるので、抜けが出る。
- 2依頼が散らばる:システムごとに担当が違い、依頼は個別メール。「頼んだが返事が無い」「作ったが伝わっていない」が受信箱の中で起きる。入社日にどれが揃っているか、誰も一覧できない。
- 3パスワードの共有・使い回し:付箋・チャットでパスワードを渡す。急ぎのときは先輩の ID で作業。共用 ID があると「誰が操作したか」が分からなくなり、退職者が知っているパスワードを変え忘れる。
- 4退職時は「思い出せた分だけ」:Google を止めればチャットも止まるが、独自 ID のシステムは個別に止めないと残る。7 つのうち 2 つを忘れるのは、怠慢ではなく構造の問題。
- 5退職者の ID が生きている:販売管理(顧客情報)に社外から入れる状態が半年続く。実害が無くても、監査や取引先への説明で問題になる。
- 6属人化:「誰がどこに入れるか」の全体像は総務の頭の中にしかない。総務が休むと入社処理が止まり、担当が変わると引き継げない。
- 7管理者パスワードが前任者の頭の中:勤怠システムの管理者パスワードは退職した前田さんしか知らず、設定変更ができない。ベンダーに再発行を頼んで数日止まる。
Before → After
アカウント台帳を1枚作るとどう変わるか
手作業「何が必要か」を毎回記憶で考える
台帳役割ごとのテンプレート(営業=販売管理+チャット+…)から、入社チェックリストが自動で出る
手作業システムごとに個別メールで依頼。進み具合は受信箱で追う
台帳各システムの「管理担当」が台帳に決まっていて、チェックが揃ったかを1画面で見る
手作業退職時は思い出せた分だけ止める。独自 ID のシステムが残る
台帳退職日を過ぎて有効な ID が残っていれば「残っている」と検知。全部止めるまで完了にできない
手作業どのシステムが SSO に対応しているか分からず、ログインが増え続ける
台帳システムごとの「ログイン方法・SSO 対応」が一覧に。Google 配下は自動、独自 ID は個別、が見て分かる
手作業共用 ID・付箋のパスワード。誰が操作したか分からない
台帳1人1 ID を前提に、権限(管理者/一般)まで台帳で管理。変更は履歴に残る
手作業全体像が総務の頭の中。休むと止まり、引き継げない
台帳誰が見ても同じ台帳。「誰が・いつ・どのシステムを止めたか」が残るので、監査や取引先への説明にも使える
同じアカウント管理を、台帳を1枚作って行うとこうなります。
After(アカウント台帳)を見る